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都市型風力タービンがJDA2018 国際最優秀賞を受賞

NASAのスペースローバーからヒントを得たチリとケニア出身のふたりの若き発明家が風の強い都市で電力の生産を目指します

一般財団法人 ジェームズダイソン財団は、同財団が主催する国際エンジニアリングアワード JAMES DYSON AWARD2018(以下 JDA)の国際最優秀賞を発表しました。最終審査員である、ダイソン創業者のジェームズ ダイソン は、都市型風力タービン、O-wind Turbineを今年の受賞作品に選びました。

気候変動から貧困まで、地球規模の問題に国境を越えて取り組む必要性がますます高まっています。チリ、ケニアと異 なる場所で生まれたニコラス・オレリャーナ(Nicolas Orellana)とヤシーン・ヌーラニ(Yaseen Noorani)は、人類が共有 する問題を解決するテクノロジーの開発に力を合わせて取り組んでいます。ランカスター大学(英国)の国際イノベー ション修士課程で学ぶふたりは、独創的で新しいアイデアのタービンによって都市の風を活用しようと試みています。

そもそも風に関してどのような問題があるのでしょうか。高層の建物が多い都市ほど、吹く風は強くなります。誰もが発電のための再生可能資源を探し求める中、この強力で豊富な資源が手付かずのままである理由は主に、従来の風力タービンでは一方向に吹く風しか捕捉できないという点にあります。つまり、風が予測不可能でさまざまな方向に吹く都市では非常に非効率なのです。

都市を吹き抜ける風はビルの間で捕らえられ、通りに引きずり下ろされ、空へと押し上げられます。このように風が急激に無秩序な状態に陥る状況では、従来のタービンを活用することができません。シンプルな幾何学的形状のO-Wind Turbineは、この手付かずの強力な資源を活用し、風の強い日でもエネルギーを生み出せるように設計されています。

ジェームズ ダイソンは次のように述べています。「問題解決をデザインするという募集課題は、意図的に幅を持たせた 表現です。才能ある若き発明家たちに対して、現実のさまざまな問題を突き止めるだけで終わらないようにと促し、工夫を凝らして独創的な解決策を生み出せるように、彼らの背中を押しているのです。O-Wind Turbineは見事にそれに応えてくれています。再生可能エネルギーを作り出すという非常に大きな課題に取り組み、幾何学的形状を採用して これまで見過ごされてきた、「都市」という場所のエネルギー活用に挑んでいます。これは独創的なコンセプトです。」

ニコラスが多方向に吹く風の問題に興味を持つようになったのは、NASAのマーズ・タンブルウィード・ローバー(以下、 タンブルウィード)について学んだことがきっかけでした。 直径約1.8mのこの膨張式の球体は、回転草のように火星の 地表を自動的に弾んで転がり、大気の状態や地理的な位置を測定するように設計されていました。タンブルウィードは 従来の風力タービンと同様に一方向に吹く風から動力を得ていたため、障害物に直面した場合その機動性が損なわれ、コースを外れてしまうことが度々あり、最終的にプロジェクトは失敗に終わります。

ニコラスはタンブルウィードの限界について調査することで、三次元の風力タービンテクノロジーを生み出しました。ニコラスと学友のヤシーンはすぐに、都市でこのテクノロジーを利用し、そのエネルギーを活かして電力を作り出す方法を特定します。

ニコラスは次のように述べています。「私たちが望んでいるのは、O-Wind Turbineによってタービンの有用性が向上し、 世界中の人々がより手頃な価格でタービンを手に入れられるようになることです。都市は風の強い場所であるにもか かわらず、現在のところ、この資源を有効に活用できていません。環境に優しいエネルギーを容易に生み出せるようになれば、私たち一人ひとりが地球を保護する上でより大きな役割を果たすようになるはずです。国際最優秀賞を受賞したことで、私たちのコンセプトが正しいことが証明されました。これほどの注目を浴びて身の引き締まる思いです。同時に、このコンセプト開発を将来の仕事として考える自信も生まれました。すでに投資者との話し合いに入っており、今後 数か月で契約を確保したいと思っています」

JDA2018 国際準優秀賞

EXCELSCOPE 2.0 開発途上国におけるマラリア治療向上を目指す診断装置

製作者:デルフト工科大学チーム(オランダ)

世界人口の 40%がマラリアに罹患するリスクのある地域で生活しており、毎年 100 万人を超える人々がこの病気で命を落としています。開発途上国における治療の効率と精度の向上を目指すEXCELSCOPEは、半自動のスマートなマラリア診断装置。スマートフォンをタッチして簡単に使用できます。

Air Chair 車椅子の方の飛行機利用の負担を軽減するイス

製作者:アーメル・シディギ、アリ・アスガル(アラブ首長国連邦、シャルジャアメリカン大学)

車椅子で動き回ることは、最もアクセスが便利な場所においてさえも困難な場合があるものです。とりわけ飛行機での空の旅は、階段や狭いシート、スタッフ頼みの乗り降りが組み合わさって、車椅子の利用者にとって極めて困難です。航空機で放置された経験を何度も積み重ねてきた BBC のレポーター、フランク・ガードナーも、こうした懸念について同じ考えを表明しています。Air Chair が提案するのは、よりシンプルなソリューション。利用者は出発ラウンジから離陸まで、旅全体を通じて 1 台の椅子を使用できます。

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