ジェームズダイソン財団は、同財団が主催する国際エンジニアリングアワード、James Dyson Award 2019(以下JDA)の募集を開始いたします。本アワードの課題は、「問題を解決するアイデア」で、エンジニアリング、デザインを学ぶ学生や卒業生にとって、世界を舞台に自らのアイデアを発表できる機会です。国際最優秀作品には賞金30,000ポンド(約450万円*)が贈られます。経済産業省のご後援を開催15年目となる節目に頂き、Bsize代表取締役でありJDA2006入賞者、八木啓太氏を新たに国内審査員にお迎えいたします。
当財団はこれまで、人々の未来にインパクトを与える問題の解決に挑んできた次世代のデザインエンジニアを奨励してきました。問題解決をデザインする、革新的で起業家精神のある若者に挑戦してもらいたいと考えます。発明のアイデアは世界中どこにでもあります。より多くの若い発明家をJDAを通して支援したいと思っています。
ジェームズ ダイソンは次のように述べています。「若いエンジニアとデザイナーは未来への展望と自由な知性を持つからこそ、問題解決に長けているのです。彼らのアイデアは、簡単に受け入れられないこともあるかもしれませんが、育て、評価されれば、世の中を変革する力を持ち得ます。製品やテクノロジーの開発過程には時間と忍耐が必要です。James Dyson Awardは、そのような過程に挑戦しようとする若き エンジニアやデザイナーを高く評価します。この賞の目的は次世代の発明家たちを支援し、将来の成功に向けてその背中を押すことです。今年はどのような驚くべきアイデアに出会えるのか心待ちにしています。」


最高の発明は多くの場合、シンプルでありながら現実世界の問題をスマートな解決策へと導きます。過去受賞者が取り組んできたのは、食料廃棄、水質汚染、発展途上国における医療課題、持続可能性といった様々な領域における問題です。JDA2018の国際最優秀作品O-wind Turbineは都市部で予測不能に吹く風を有効活用とする風力タービンで、持続可能な再生エネルギー分野に挑戦しました。国内最優秀賞は赤ちゃんの脱水状態を検知し、水分補給と保護者の取るべき行動のサポートを目的としたデバイスYourPacifierが受賞しました。
JDAを受賞した若き発明家たちは、それをきっかけの1つに、投資などの機会を得てキャリアを加速させています。過去の受賞者で伸縮自在な子ども服Petit Pliや、生体反応性の食品ラベルMimicaの開発者は起業し、事業の成長に全力を尽くしています。国内では、JDA2015国際TOP20受賞学習機能搭載・排泄検知シート、JDA2016国内第3位受賞OTON GLASS、JDA 2017国際TOP20受賞Cuboardなどの開発者が社会実装に向けて着実な歩みを進めています。
* 参考価格:1ポンド150円、受賞発砲時の為替相場に応じて換算
JDA2019国内審査員
緒方 壽人氏


デザインエンジニア/Takram ディレクター
ソフトウェア、ハードウェア問わず、デザイン、エンジニアリング、アート、サイエンスまで領域横断的な活動を行うデザインエンジニア。東京大学工学部を卒業後、情報科学芸術大学院大学(IAMAS)、リーディング・エッジ・デザインを経て、ディレクターとしてTakramに参加。
川上 典李子氏

デザインジャーナリスト
AXIS編集部を経て1994年に独立、企業やデザイナーの取材、執筆を行う。国際交流基金主催の展覧会の共同キュレーションにも関わり、「London Design Biennale 2016」日本公式展示キュレトリアル・アドバイザーを務める。
21_21 DESIGN SIGHT アソシエイトディレクター。桑沢デザイン研究所非常勤講師など
八木 啓太氏

デザインエンジニア/Bsize(ビーサイズ株式会社)代表取締役
2011年家電ベンチャー・ビーサイズを創業。NHK連続テレビ小説「半分、青い。」では「ひとりメーカー」の考証を行う。現在はAI・IoT技術を活かしたみまもりロボットGPS BoTの展開に注力し、世の中に革新を起こすべく挑んでいる。JDA2006入賞経験を持つ。
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