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Fusion: Full Body Surrogacy for Collaboration

Fusionは遠隔でのコラボレーションや共同作業、技能伝達を目的としたウェアラブル身体代理・共有システムです。

  • Overview of Fusion, wearable backpack body sharing platform.

  • Operator side controls the surrogate robot remotely using head mounted display and hand controllers.

  • Fusion as assistive and skill transfer system. Potentials in rehabilitation, and embodied learning.

  • Shared point of view collaboration and remote assistance.

  • Possibility to share experience with remote users, with full upper-body embodied actions.

概要

Fusionは私たちの遠隔でのコミュニケーションやコラボレーションの手段の再構築を目的とした身体代理(サロゲート)システムです。私たちの身体にテレプレゼンスロボットを結合することで視点を共有した共同作業を可能にし、人間とロボットのハイブリッドな方法でテレプレゼンスロボットを使用するためのアプローチを探ります。


経緯

テレプレゼンスロボット研究の進歩は、空間の制限を超えて私たちの身体を代替するアバターシステムを定義し、私たちの身体を遠隔操作するための新しい可能性をもたらしました。しかし、これまでのアプローチは、人工的な身体を通じた個人の経験の複製をすることに焦点が当てられ、ユーザーは新しいボディを操作していました。 Fusionは、遠隔のユーザーと身体的な動作の共有を可能にする、ウェアラブルなテレプレゼンスシステムによる身体代理(サロゲート)システムです。これは、共同作業や技術伝達の質を高めるコラボレーションシステムの新しい可能性を提供します。


機能

Fusionは、遠隔での協調動作を可能にするだけでなく、ある人から別の人への身体的インタラクションを仲介する方法としても作用するような、他者のための主人(または代理)の身体というアイデアについて探求します。 システムは、遠隔代理側が着用するウェアラブルバックパックロボット”サロゲート”と、頭部搭載ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)とコントローラまたはデータグローブを使用した”オペレーター”から構成されます。 オペレーターはサロゲートロボットを操縦し、視覚・聴覚・触覚フィードバックによってロボットにテレポートしている感覚を得ます。サロゲートロボットは着用者を同じ視点から支援し、身体的な共同作業を提供します。 Fusionには主に3つの機能があります。1)Directed(直接的な共同作業):一対のロボットハンドによるサロゲート側の補助または指示。2)Enforced(動きの指示):ロボットアームが外骨格のように動作し、オペレーターによるサロゲート側の物理的なコントロール。3)Induced(動きの誘導):遠隔側がサロゲート側を周囲のガイドによる直接的な指示。


開発過程

私たちが2017年に行なった「MetaLimbs」というプロジェクトの後、身体を共有するというアイデアが生まれました。MetaLimbsは、一人の人間が複数の四肢を自分の身体の一部のように操る能力に関するプロジェクトでした。このデモンストレーションが成功した後、私たちは、「もしも、このような四肢が他の人によって操作されていたら?」つまり、私たちの身体を他者と共有できるのかについて想像しはじめました。 私たちは主に、視覚的な経験だけでなく、物理的で身体的な経験を共有することで、協力・協調する方法を支援できるようにデザインしました。現在の状態になるまでにいくつかの試行錯誤とプロトタイプを製作しました。例えば、ユーザーの頭の感覚や運動特性と一致するような3軸のヒューマノイドヘッドを開発や目標となるアプリケーションに応じてカスタマイズできる軽量のロボットハンドを開発しました。 これらのプロトタイプを通して、当初の目標を超えた結果を体験することができました。例えば、Fusionを使用することによって、身体の不自由な人が物理的に作業場所にいなくても遠隔で他の人を支援したり作業することができます。これは、社会におけるより良いウェルビーイングな生活を維持できる可能性があります。そして、広い範囲のユーザーの知識や経験を移転することができる可能性を秘めています。


差別化

今日提案されているテレプレゼンスロボットの多くは、ある種のモビリティ性を提供している点で魅力的である。そのようなロボットは遠隔地での探索や他者との通信、危険物の取り扱いや危険地帯での調査を目的とする状況において素晴らしいです。しかし、そのような設計は共同作業や物理的なインタラクションを伴う支援を目的としたときに機能を制限してしまいます。 動きの指示や行動の指導のようなコラボレーションは、ある人が何をするのかを他の人に示すときに物理的な行為に依存することがあります。しかし、既存のテレプレゼンスロボットがアームを装備していたとしても、それが他人に対して直感的かつ効果的に指示することに使えるとは限りません。最も大切なのは、人が直面している困難さを完全に理解することであり、このような理由から、代理的なサロゲートが有用であることを示しており、共同作業を拡張する理由です。


将来の計画

今後、2~3年以内に製品として展開する計画を進めており、現在はユーザーテストを実施しています。システム全体の重量はバッテリーを含めて12kgですが、軽いアクチュエーターや素材を使用してさらなる軽量化を目指しています。研究の観点からは、リハビリテーションや理学療法への使用の可能性を模索することに興味を持っています。そのためには、医師と協力してその実現可能性を証明することが重要だと考えています。


他アワードでの受賞歴

YouFab Global Creative Awards 2018 & ACC Tokyo Creative Awards 2018. また、Fusionは United Nations AI for Good Summit 2019 in Geneva/Switzerlandに招待されました。


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