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color2vibs

視覚障害者が、触っているものの色調の違いを、指先に感じる振動の違いとして識別できるツール 特徴: ・色の三原色に対応して3つのバイブレーターを振動させることで、色調の違いを指先に感じて識別ができる。 ・ものに触ってなぞる動作に連動して、指先に色の違いを感じるので、色の分布を把握できる。 ・視覚障害児童が、学習教材の色分けされた図の形を把握できる。 ・色覚異常者が、色の確認をするのに利用できる。

  • 申請品

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  • 申請品の使用中の様子

  • スケッチ推移

  • 原理モデル

  • 原理モデルの盲学校児童による試用風景

概要

視覚障害者が、触っているものの色調の違いを、指先に感じる振動の違いとして識別できるツール 特徴: ・色の三原色に対応して3つのバイブレーターを振動させることで、色調の違いを指先に感じて識別ができる。 ・ものに触ってなぞる動作に連動して、指先に色の違いを感じるので、色の分布を把握できる。 ・視覚障害児童が、学習教材の色分けされた図の形を把握できる。 ・色覚異常者が、色の確認をするのに利用できる。


経緯

学内の「福祉の技術プロジェクト」のメンバーにて盲学校の見学に行った際に、先生が生徒や授業に合わせて自作した教材・教具を多く見かけた。特に、触る地図が多く整備されていることに注目した。これらは盲学校対応として特別に立体化させたものである。逆に、普通教材をそのまま使えたら教材の制約が減るのでないか、そのためには色がわかるツールがあれば良いのではないか、と思ったのがこの作品を考えるきっかけである。


機能

触っているものの色を、光センサーで赤緑青(RGB)三原色に分解し、三色に対応して設けられた3つのバイブレーターを各色の強さに比例して振動させることで、色調の違いを指先に感じる振動の違いとして識別できる。ものに触ってなぞる動作に連動して振動も変化するので、色の分布を把握できる。 また、支援者の確認用に、光センサー読み取り値を示すカラーLED表示も備えている。 これを使うことの習熟に応じて、地図が等高線で色分けされていればそれをなぞればわかる、幾何学図形を描いたページならそこをなぞるだけでその形がわかる、絵画もなぞればイメージが湧く、という可能性がある。


開発過程

視覚障害者に色の違いを感じてもらうために、まず色を視覚以外のどのような身体感覚に置き換えるのかを検討した。その際、次の2点を重視した。 ・色を触って感じる、と言えるように、指先にフィードバックが欲しい ・特別支援学校の先生にも自作可能なものとしたい 検討の結果、基本構成は、色の違いをバイブレーターによる振動の違いに置き換え、指先に伝えることとした。また、使用部品としては、バイブレーターは携帯などに使われ安価で市販されているもの、光センサーやマイコンも安価な市販品を選択した。バイブレーターを保持する振動吸収材も100円ショップで購入した家具の転倒防止材を加工した。これらが納まる筐体は、3Dプリンターで作成したので、そのデータを使えば同じものを自作可能となる。部品・材料費合計7200円程度に抑えられ、当初考えた重視事項をほぼ実現できると考えた。 今回の応募作品を作る前の原理モデルでは、手袋の中指先端部にカラーセンサーを、人差し指・中指・薬指部分にRGB用の各バイブレーターを取り付けた。 それを盲学校児童に試用してもらう機会を得た。カラーチャート紙を使って、この振動が「赤」、これが「緑」、これが「青」というように動作説明をした。その練習の後、先生が、別の色紙を持ってきて「これは何色?」と聞いたところ、自分で色を答えた。自ら色を答えるというのは初めての経験として、本人も先生も喜んでいたのが印象的であった。 この原理モデルを使っている様子で、改善事項もわかった。バイブレーターが指の甲側では振動がわかりにくいようで、左手指先で振動を確認していた。そこで指先の腹側にて感じるようにすることとした。また、手袋タイプはなぞる動作がスムースにできるが、はめるのに手間がかかるとか、手の大きさ・太さで振動の伝わり方が変わるなどの課題があるので、本作品のようにつまむ構造とした。


差別化

商品化されているものとして、色を確認したいものに押し当てて、ボタンを押すと、測定結果を声で知らせるツールがある。例えば、「あか」と色の名前を知らせてくれる。 ボタンを押すと、測定部シャッターが開いて計測し結果を答える、という機構から、色の分布を把握するのは難しい。 それに対して、本作品は、連続的に測定しており、3つのバイブレーターも測定値に連動しているので、色の分布を把握することができる。 残念ながら、このツールで、先天的全盲児童に三原色の組み合わせによる色の成り立ちがわかるようになるわけではない。ただ、色についての理解が徐々に深まってきて、例えば赤色がリンゴやイチゴの色として紐付けされ、さらにそれが暖色としてのイメージの習得にまでに至り、自らその時の気分に合わせて服の色を選択したいということになれば、このツールが役に立つと期待する。また、色覚異常者が、例えば衣類の買い物の際に色の選択に自信が持てないという場合には、このツールで確認することができるであろう。


将来の計画

これまで見学してきた日本の特別支援学校では、生徒の障害や個性の幅広さを受け入れて丁寧な授業や活動がなされており、生徒に合わせた教材や教具が先生により多く自作されている。しかしながら、現状では手工具による製作に限られているため、その製作技術の伝承や展開には限界があると考えて、デジタルファブリケーション技術の教材教具自作への適用を促進する活動を、「教材自作部」と称して特別支援学校の先生とともに進めている。 その活動の一環として、先生方に小型マイコンと3Dプリンターに興味を持ってもらうために、その応用例として作ったのがこの応募作品の原理モデルである。今後盲学校の教員や視覚障害者の家族にても組み立てがしやすいように改良してオープンソース化していきたい。


他アワードでの受賞歴

日本リハビリテーション工学協会主催「福祉機器コンテスト2016」に応募し、一次選考通過、最終審査中


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